OCDに行われる主な手術
病変の大きさ、安定性、骨軟骨片の状態などによって術式が異なります。

  • ドリリング・骨穿孔術
  • 骨軟骨片の固定術
  • 遊離体摘出・病変部の切除
  • マイクロフラクチャー
  • 骨軟骨柱移植術(OAT・モザイクプラスティ)
  • 肋骨などを用いた骨軟骨移植術

病変を切除した手術と、骨軟骨片を固定・移植した手術では、組織が回復するまでに必要な期間が異なります。そのため、同じOCD手術後でも、肘を動かす時期や投球を再開できる時期は一律ではありません。
手術後に残りやすい問題
手術後には、次のような問題が残ることがあります。

  • 肘が完全に伸びない、曲がらない
  • 肘の外側に痛みや違和感がある
  • 腕や握力が低下している
  • ボールを投げると痛い
  • 投球後に肘が張る
  • 手をついて身体を支えられない
  • 投球フォームが以前と変わっている
  • 再発や競技復帰への不安がある

骨や軟骨が治癒しても、投球に必要な筋力や全身の連動性が十分に回復しているとは限りません。
手術後のリハビリ

1.手術部位を保護する

術後早期は、固定した骨軟骨片や移植した組織を保護することが優先されます。
主治医の指示に従い、装具を使用しながら、手指・手首・肩の運動や、許可された範囲での肘の曲げ伸ばしを行います。
自己判断で肘を強く伸ばす、重い物を持つ、腕立て伏せや投球を行うことは避けます。

2.肘の可動域を回復する

固定や痛みによって、肘の伸展・屈曲や前腕をひねる動きが制限されることがあります。
肘を無理に押し込むのではなく、手術内容や骨の治癒状態を確認しながら、日常生活と競技に必要な可動域を段階的に取り戻します。

3.腕と肩周囲の筋力を回復する

肘だけでなく、手首、前腕、上腕、肩、肩甲骨周囲の筋力を回復させます。
軽い負荷から始め、徐々にダンベルやチューブ、ケーブルなどを使用したトレーニングへ進めます。肩の腱板や肘周囲筋を含めた運動を追加することで、筋力や可動域の改善が期待できるという報告もあります。

骨軟骨柱移植術を受けた場合は、移植片を採取した膝の状態も確認しながら下半身のトレーニングを進めます。

4.全身の連動性を取り戻す

投球動作では、下半身で生み出した力を、股関節、体幹、肩甲骨、肩、肘、手へ伝えます。
下半身や体幹を十分に使えない状態では、復帰後に再び肘へ負担が集中する可能性があります。

肘のリハビリと並行して、股関節の可動域、下半身の筋力、体幹の回旋、片脚での安定性なども改善します。

投球・スポーツへの復帰
競技復帰は、手術から一定期間が経過しただけでは判断しません。

主に次の状態を確認します。

  • 肘の痛みや腫れがない
  • 肘の可動域が回復している
  • 画像検査で骨・移植部の治癒が確認されている
  • 腕や肩周囲の筋力が回復している
  • 腕立て伏せなどで身体を支えられる
  • 投球動作を行っても症状が出ない
  • 投球後や翌日に痛みが増えない
  • 主治医から競技復帰の許可が出ている

術後の競技復帰基準は研究によって異なりますが、特に多く用いられているのが、肘の可動域の回復と画像上の治癒確認です。統一された復帰基準はないため、術式と競技に合わせた個別の判断が必要です。
野球への段階的な復帰
投球を再開する場合は、いきなり全力投球へ戻さず、

短い距離での軽いキャッチボールから始め、投球距離、強度、球数を一つずつ増やします。その後、野手の送球や投手のマウンド投球、実戦形式へ段階的に進めます。

投球開始を術後4か月前後とする報告もありますが、病変切除、固定術、骨軟骨移植術では進行が異なります。特に固定術や移植術後は、画像上の骨癒合と主治医の許可を優先します。
プラストレーナーズでの取り組み
手術名や画像所見、運動制限を確認したうえで、肘の可動域・筋力だけでなく、肩甲骨、体幹、股関節、投球フォームまで評価します。

患部を保護している時期には、許可された範囲で下半身や体幹などの患部外トレーニングを行い、体力低下を防ぎます。

投球開始後は、距離・強度・球数を管理しながら、競技復帰に必要な負荷へ段階的に戻します。
このような方はご相談ください
  • 肘OCDの手術を受けた
  • 病院のリハビリ終了後も肘が伸びにくい
  • 腕や肩の筋力が戻っていない
  • 投球を再開する方法が分からない
  • キャッチボールをすると肘が痛む
  • 休養中の体力低下を防ぎたい
  • 投球フォームや全身の使い方も改善したい
  • 手術前の競技レベルまで戻りたい

手術によって病変を治療することをゴールにせず、再び投げる・支える動作に耐えられる肘と身体を取り戻すことが大切です。