アキレス腱断裂が起こりやすい動作
アキレス腱断裂は、ふくらはぎの筋肉が急激に力を発揮した時や、足首が強く曲げられた時に起こることがあります。代表的な場面には、
- ダッシュの一歩目
- ジャンプの踏み切り
- ジャンプからの着地
- 急停止
- 急激な方向転換
- バック走からの切り返し
- 相手やボールへ反応した不意の一歩
などがあります。
日常的に強い痛みがなかった人でも、突然断裂することがあります。
アキレス腱断裂に多い症状
- 後ろから蹴られたような感覚
- 「バチッ」「ブチッ」という音や感覚
- アキレス腱周辺の痛み
- 腫れや内出血
- 足首に力が入らない
- つま先立ちができない
- 地面を強く蹴れない
- 歩行時に足を引きずる
- アキレス腱部分にへこみを感じる
断裂が疑われる場合は、そのまま歩き続けたりストレッチしたりせず、速やかに整形外科を受診する必要があります。
アキレス腱断裂の治療
アキレス腱断裂の治療には、手術療法と保存療法があります。手術療法
断裂したアキレス腱を縫合する方法です。競技レベル、年齢、断裂の状態、再断裂リスク、本人の希望などを考慮して選択されます。
手術後は装具などで腱を保護しながら、医療機関の方針に従って荷重や足首の運動を段階的に進めます。
保存療法
手術を行わず、ギプスや装具を使用してアキレス腱が治癒する位置を保ちながら回復を目指す方法です。現在は、状態に応じて早期から荷重や機能的なリハビリを行う方法も用いられます。
手術と保存療法のどちらが適しているかは、断裂の状態、年齢、活動レベル、合併症のリスクなどによって異なります。すべてのケースで手術が必要というわけではありません。
アキレス腱断裂後に残りやすい問題
腱がつながり、日常生活で歩けるようになっても、スポーツに必要な機能が十分に戻っているとは限りません。断裂後には、
- 足首が硬い
- ふくらはぎが細くなった
- 片脚で踵を高く上げられない
- カーフレイズの回数が少ない
- 地面を強く蹴れない
- 走ると左右差を感じる
- ジャンプ力が戻らない
- 素早い切り返しが怖い
- 長時間動くとふくらはぎが疲れる
- 反対側の脚や膝、腰に負担がかかる
といった問題が残ることがあります。
特に、アキレス腱が治癒する過程で腱が長くなり過ぎると、ふくらはぎの力を十分に足へ伝えにくくなる場合があります。そのため、術後早期に自己判断で強くストレッチすることは避け、主治医や医療機関の指示を守る必要があります。
アキレス腱断裂後のリハビリ
リハビリの進行は、手術の有無、断裂部位、腱の状態、術後経過によって異なります。1.腱を保護しながら荷重を戻す
初期は装具やヒールウェッジなどを用いて、アキレス腱に過度な伸張ストレスが加わらないようにします。医療機関の指示に従い、
松葉杖歩行
部分荷重
全荷重
装具を着用した歩行
装具から通常の靴への移行
を段階的に進めます。
2.足関節の可動域を回復する
固定や装具の使用によって硬くなった足首を、修復した腱を守りながら動かしていきます。早期に足首を強く反らすと、治癒途中のアキレス腱へ過剰な負担がかかるため、動かしてよい範囲は主治医の指示に従います。
3.ふくらはぎの筋力を回復する
アキレス腱断裂後は、腓腹筋・ヒラメ筋の筋力や筋量が大きく低下します。回復段階に合わせて、
- 座位でのカーフレイズ
- 両脚でのカーフレイズ
- 片脚への荷重移動
- 片脚カーフレイズ
- 重りを用いた筋力トレーニング
- 素早く力を発揮するトレーニング
へと進めます。
単に片脚で踵が上がるかだけでなく、踵の高さ、回数、速度、左右差を確認します。
4.歩行・ランニングを改善する
痛みがなく歩けるようになっても、患側で地面を十分に蹴れず、歩幅や速度に左右差が残ることがあります。歩行時の蹴り出し、片脚支持、足首と股関節の連動を確認し、ジョギングへ移行する準備を整えます。
5.ジャンプ・切り返しへ進む
ランニングが安定した後は、- 両脚ジャンプ
- 片脚ジャンプ
- 連続ジャンプ
- 前後左右へのホップ
- 加速・減速
- 切り返し
- スプリント
へと段階的に進めます。
スポーツではゆっくりした筋力だけでなく、短時間で力を発揮し、繰り返し動作に耐える能力が必要です。
スポーツ復帰に必要な確認
アキレス腱断裂後のスポーツ復帰は、手術や受傷からの期間だけで判断するものではありません。次のような点を総合的に確認します。
- 日常生活やランニングで痛みがない
- 腫れが強くならない
- 足関節の可動域が回復している
- 片脚カーフレイズができる
- カーフレイズの高さと回数に大きな左右差がない
- 片脚ジャンプが安定している
- 着地や切り返しに不安がない
- スプリントで十分に地面を蹴られる
- 練習後や翌日に症状が悪化しない
- 競技練習を段階的に実施できている
競技別の復帰トレーニング
サッカー・フットサル
- ジョギング
- 直線ダッシュ
- 急停止
- 切り返し
- ボールを使った動作
- キック
- 対人練習
- 実戦形式
バスケットボール・バレーボール
- 両脚ジャンプ
- 片脚ジャンプ
- 連続ジャンプ
- 着地
- サイドステップ
- 切り返し
- コンタクトを伴う動作
テニス・バドミントン
- 前後左右へのステップ
- スプリットステップ
- 急停止
- 切り返し
- ジャンプ動作
- サーブやスマッシュ後の着地
- 陸上・ランニング
- ウォークとジョグ
- 連続走
- ペース走
- 坂道
- 加速走
- スプリント
- スパイクでの走行
競技練習を再開した後も、練習量、強度、頻度を一度に元へ戻さず、症状を確認しながら段階的に増やします。
プラストレーナーズでの取り組み
- 身体機能の評価
- 足関節の可動域
- ふくらはぎの筋量と筋力
- カーフレイズの高さ・回数
- 左右差
- 片脚バランス
- 歩行・ランニング動作
- ジャンプ・着地能力
- 股関節や体幹の機能
などを確認します。
患部外トレーニング
アキレス腱への負荷が制限されている期間も、許可された範囲で上半身、体幹、反対側の脚などをトレーニングし、全身の体力低下を抑えます。段階的な筋力・パワー回復
歩けるようになることだけをゴールにせず、競技で必要となる筋力、瞬発力、持久力を段階的に回復させます。競技復帰トレーニング
選手の競技やポジションに合わせ、ランニング、ジャンプ、切り返し、スプリントなどを実際のプレーへ近づけていきます。主治医の指示を確認しながら進めます
アキレス腱断裂後のリハビリは、手術方法、保存療法の内容、断裂部位、治癒経過によって進め方が異なります。自己判断でストレッチや高負荷トレーニングを開始せず、医療機関から指示されている荷重範囲、可動域制限、運動開始時期を確認することが重要です。
プラストレーナーズでは、主治医や医療機関の方針を確認し、安全に配慮しながらリハビリ・トレーニングを進めます。
このような方はご相談ください
- アキレス腱断裂後に筋力低下が残っている
- 病院でのリハビリ終了後も片脚で踵が上がらない
- 歩けるが、走ることに不安がある
- ジャンプや切り返しへ進めない
- ふくらはぎの左右差が大きい
- スポーツ復帰に必要なトレーニングを行いたい
- 復帰後の再断裂が不安
- 元の競技レベルまで戻したい
アキレス腱がつながることをゴールにせず、再び走る・跳ぶ・切り返すために必要な身体機能まで段階的に取り戻します。


