SNSやネットニュースなどでトップアスリートのトレーニングやストレッチの様子を見る機会が多いですが、ほとんどの選手がとんでもなく高い柔軟性を持っていることに驚く人も多いのではないでしょうか。

 

筋骨隆々の身体をしていても、開脚がぺたっと床についたり、ブリッジや難度の高いトレーニングを難なくこなしている選手は珍しくありません。

 

おそらく小中高生のジュニアアスリート世代の選手たちは、所属チームや指導を受けているコーチ、トレーナーから「もっと柔らかくしろ」と言われた経験が一度はあると思います。

 

 

ではなぜ、スポーツ選手には高い柔軟性が求められるのでしょうか。なぜ身体が硬いといけないのでしょうか。

 

理由の一つは、高いパフォーマンスを発揮するために柔軟性が必要だからです。

 

分かりやすい例で言えば空手では、上段蹴りをするために十分な股関節の柔軟性がなければ動作そのものが成立しません。野球の投手も、踏み出しが小さければ力強いボールは投げられませんし、水泳では肩甲骨まわりが硬いと大きなストロークを作ることができません。

 

 

このように、競技動作に必要な柔軟性や可動域は、あらかじめ十分に獲得しておく必要があります。

 

また、新しいハイレベルなスキルを身につけようとしたとき、柔軟性が不足しているために、どれだけ練習しても技術が身につかないというケースも少なくありません。

 

 

一方で、開脚など特定の柔軟性が低くても、パフォーマンス上は大きな問題にならない競技があるのも事実です。

それでも、ほとんどのスポーツで柔軟性が重要視される理由があります。

 

それは、ケガをしたときの競技復帰に大きな差が出るからです。

よく「身体が硬いとケガをしやすい」と言われますが、これについては一概に正しいとは言えません。身体が硬くてもケガをしない選手はいますし、ケガのしやすさは柔軟性だけで決まるものではありません。

 

ただし、競技復帰のしやすさという点では、柔軟性が高い選手の方が圧倒的に有利です。

 

柔軟性が低い場合、使える動作の範囲が限られてしまいますが、柔軟性が高ければ、痛みの出る負担の大きい動作を避けながら、必要な動作を選択することができます。

 

例えば野球肩の選手でも、肩甲骨の可動域が広い選手の方が、肩に負担の少ない投球フォームを作りやすく、競技復帰は圧倒的にスムーズになります。

 

これは股関節の柔軟性でも同じことが言えますし、野球肩以外の多くのスポーツ障害でも共通しています。

 

 

このように、パフォーマンスの向上を考えても、ケガ予防や競技復帰を考えても、「スポーツ選手は柔軟性が高い方がいい」と考えています。

 

プラストレーナーズ
伊藤孝信