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腰椎分離症とは?成長期だけじゃない“見逃されがちな腰の障害”
腰椎分離症とは、背骨の中でも腰の部分である「腰椎」にひび(疲労骨折)や骨折が起こるスポーツ障害です。特にジャンプや腰をひねる動作が多い競技で起こりやすく、スポーツをする子どもや若い世代に多く見られます。
好発年齢はいつ?
発症しやすいのは小学校高学年〜高校生くらいの成長期。骨がまだ柔らかく未完成な時期に、繰り返しの負荷がかかることで腰椎にストレスがたまり、疲労骨折として分離が起きると考えられています。
かつては、大学生以上の年齢になると発症しないとされていました。つまり、大人で腰椎分離が見つかった場合は、「成長期のときに気づかれず(検査を受けず)、骨癒合しないまま残っていたもの」だと解釈されていたのです。
分離していても“痛みがない”こともある
腰椎分離症は、たとえ骨が癒合していなくても、痛みがなければ競技を続けることが可能な場合もあります。実際、プロ野球選手などでも、腰椎分離症を抱えながらプレーしている例は少なくありません。
こうしたケースでは、分離が後から発見されても、それが“今の痛みの原因”とは限らないこともあります。
実は「大人にも起こる」腰椎分離症
近年では、大人になってから新たに腰椎分離症を発症するケースも報告されています。プロスポーツ選手が腰痛で戦線を離脱し、精密検査の結果「初期の腰椎分離」と診断される例もあります。
ただしこれは、「大人の体が変わって新たに分離しやすくなった」わけではありません。画像診断技術(MRIやCT)の精度が向上したことにより、従来見逃されていた初期の分離が発見されるようになった、というのが自然な解釈です。
治療と予防のポイント
腰椎分離症の治療では、骨癒合を促す安静期間の確保が基本となります。
同時に、再発や慢性化を防ぐために重要なのが以下の2点です:
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股関節や体幹の機能を高める
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腰に負担をかけない姿勢や動作を習得する
痛みがなくなった後も、「動き方のクセ」や「柔軟性のアンバランス」が残っていると再発のリスクが高まります。そのため、競技復帰前には身体の使い方を見直すトレーニングが重要です。
まとめ
腰椎分離症は、かつては成長期特有の障害と考えられていましたが、今では大人になってからも発症・発見されることがあることが分かってきました。
痛みを感じたら早めの検査を。
そして、分離症と診断された場合は、治療と並行して“腰に負担をかけない体づくり”に取り組むことが、将来的なパフォーマンス維持と再発防止のカギになります。
詳しくは腰椎分離症のページをご覧ください。
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